新年の目標にすれば、一生の宝に
健康的な食生活を送る。もっと運動する。体重を減らす。昇進する。新年に1年の目標を立てるとき、外部の尺度や成功で幸せを測り、結局、毎年同じような抱負を語りがちです。しかし科学的に見ると、自分の内側の幸福感を大事にしたほうが状況が良くなることがわかっています。
実際に研究では、感謝の実践というごく単純な行為によって、心の健康や身体の回復力を改善したり、人間関係を深めたりできるという結果が得られています。これは、長期間に及ぶ幸福の秘訣と言えるでしょう。 南カリフォルニア大学の神経科学者グレン・フォックス博士によると、感謝の気持ちが湧くと、オキシトシンという化学物質が放出されます。オキシトシンによって、あらゆるポジティブな感情が湧き起こり、さらに憂鬱さ、不安、ストレスを軽減したり、睡眠や免疫機能、循環器の状態を高めたりと、さまざまな健康上の恩恵がもたらされます。
フォックス博士はこう語ります。「感謝がもたらす健康上の恩恵をどれだけ受けられるかは、実のところ、感謝を感じ、実践することにどれだけ注意を払えるかによります。 エクササイズは練習をすればするほどうまくなりますが、それと同じです。感謝も実践すればするほど、必要なときに感謝の気持ちで心を簡単に満たせるようになります」
さあ、自分の周りに意識的に感謝しませんか? 2022年、長続きする変化をもたらしたいと本気で思っている人へ、感謝することを日常に取り入れる6つのシンプルな習慣をご紹介します。
1. 日記をつける
考えを紙に書き留めることは、感謝の実践でもとりわけ簡単で効果的な方法です。徐々に実践に馴染んでいくために、まずは「Three Good Things(3つの良いこと)」メソッドをやってみましょう。寝る前に、あなたが感謝の気持ちを抱いた事柄を3つ、簡単に書き留めるだけです。たとえば、パートナーがコーヒーを淹れてくれた、同僚がほめてくれた、といったシンプルなことで十分。「ポジティブ心理学の父」として知られる共同創設者のマーティン・セリグマン博士の研究結果によると、実践し始めてから1週間以内に参加者の幸福感が上がり、その後数か月間上がり続けたそうです。
2. 「感謝の瓶」を始める
感謝を貯めておくなら、感謝の内容を短く紙に書いて、瓶に入れておく方法もあります。ストレスが溜まって、人生には素晴らしい出来事がたくさんあることを思い出す必要があるとき、この素敵なコレクションが、ポジティブな気持ちと成長しようというマインドセットを取り戻すきっかけになるはずです。
3. 瞑想に慣れる
呼吸法と誘導を伴う瞑想の練習で徐々に瞑想に慣れていくと、自分自身のペースを落とし、人生での幸福について深く考えられるようになるでしょう。どうやって始めれば良いかわからない人は、「Loving-Kindness(慈しみ)」という、感謝の瞑想を試してみては? これは、愛、暖かさ、善意を自分自身や他人の心に送ることについて、肯定と視覚化を繰り返す瞑想です。
4. 利他主義を大切にする
利他的な行為は、受益者と行為者の両方に恩恵があることが証明されてきました。前述のセリグマン博士には別の研究もあります。大学生を2グループに分け、1つには楽しいと思われる活動(映画に行く、アイスクリームを食べるなど)、もう1つには慈善活動に参加するよう依頼し、事後に幸福度を測定しました。結果は想像がついていると思いますが、自分自身にとって楽しい活動をした人より、利他的な活動に参加した人のほうが幸福感が大きいという結論になりました。セリグマン博士はTEDトークで「楽しかったことはすぐに薄れていってしまいますが、慈善活動で他者に手を差し伸べる行為はずっと残り続けるのです」と説明しています。
5. 感謝の気持ちを書き送る
「ただ書きたかったから」と、事の大小にこだわらず人生に影響を与えた人物にテキスト、ソーシャルメディア、メールのほか、手紙でもいいので感謝の気持ちを書き送ってみると、受け取った人が驚きや嬉しさを感じるだけでなく、送った方も自分自身の幸福感が上がり、その過程で両者の結びつきが強くなります。あとは、口頭で「ありがとう」と伝えることも忘れないでくださいね!
6. マインドフルネスを実践する
一番シンプルな感謝の実践といえば、日々の喜び、人の行為、経験、機会が発生したときに、それに気づいて認めることです。感謝の専門家として世界的に有名なロバート・エモンズ博士は「感謝の実践に一番良いのは、ただ日常生活に組み込むことです。すでに私たちの周りで起こっている事象に気づけば、それが当たり前などではなく、恩恵を受けていることにもっと自覚的になり、人生を賜物として見つめられるようになります」と語っています。

